【税理士が解説】死亡退職金の受取人は誰?規定や遺言による?

死亡退職金とは、
簡単に言うと、亡くなった方の家族などが受け取る本人が受け取るはずであった退職金です
この死亡退職金の受取人が誰になるのかは、会社の規定による受取人の指定の有無や遺言の有無によって異なります。
この記事では、死亡退職金の受取人の決まり方、会社の規定や遺言がある場合の取扱いについて、わかりやすく解説をしていきます。

死亡退職金の受取人は誰か

結論からお伝えすると、
死亡退職金の受取人が誰になるかは、会社の退職給与規定に受取人の定めがあるかどうかで決まります。

退職給与規定に受取人の定めがある場合

死亡退職金を支給する会社の退職給与規定に、死亡退職金の受取人が具体的に指定されている場合には、その指定された人が受取人となります。

死亡退職金は、受取人の生活保障という性質があるため、
亡くなった方の財産、つまり相続財産ではなく、受取人固有(受取人自身)の財産と解釈されるためです。
相続財産ではないため、遺産分割協議の対象外ということになります。

ある程度大きな会社では退職給与規定を定めていることが多いです。

労働基準法第42条では、
死亡退職金の受取人は配偶者(内縁の妻を含む)がなるべきであり、
配偶者がいない場合は、子、父母、孫及び祖父母が受取人になるべきであるというように、
誰が受取人になるべきかとその優先順位を定めています。

多くの会社ではこの規定のとおりに受取人を定めています。
なお、この場合の順位は、民法に定める法定相続人の順位とは異なる場合もあります。

とはいえ、
会社によっては、退職給与規定が存在しなかったり、あったとしても受取人の定めが無い場合もあります。
まずは、退職給与既定の有無と受取人の指定の有無を確認すると良いでしょう。

退職給与規定による受取人の定めがない場合

退職給与規定による受取人の定めがない場合は、
法定相続人が遺産分割協議により、受取人を決定します。
誰か1人が受け取ることもできますし、複数人で受け取ることも可能です。

この場合の死亡退職金を相続人固有の財産と考えるか相続財産と考えるかは見解がわかれるところですが、
いずれにしても受取人が決まっていない以上、遺産分割協議によって受取人を決めることになるのです。

なお、法定相続人とは、
民法で定められた相続人のことで、亡くなった方の夫や妻つまり配偶者、子供、両親、兄弟姉妹などです。
亡くなった方に配偶者がいれば配偶者はいつでも相続人になります。
そして、配偶者以外に誰が相続人になるかは、民法で優先順位が決められています。
簡単に説明すると、
まず子供がいれば、配偶者と子供が相続人になります。それ以外の人は相続人になりません。
次に子供(孫も)がいない場合、配偶者と両親が相続人になります。それ以外の人は相続人になりません。
最後に、子供も両親もいない場合、配偶者と兄弟姉妹が相続人になるのです。

遺言による受取人の指定ができるのか?

死亡退職金について遺言の作成を検討している、
あるいは既に作成された遺言についての扱い方にお困りの相続人の方もいらっしゃるかもしれません。

遺言により死亡退職金の受取人の指定ができるかどうかですが、

退職給与規定により受取人の定めがある場合には、
遺言により受取人を指定することはできません。

受取人が決まっていれば、死亡退職金はその人の固有の財産と解釈され、
遺言者が受取人を決めることが出来ないからです。

ただし、退職給与規定に、遺言によって受取人を指定できる旨の規定があれば、
遺言者が受取人を指定することができます。

また、退職給与規定による受取人の定めがない場合は、遺産分割の対象になりますので、遺言によっても受取人を指定することができます。

相続放棄をした場合でも受取人になれる

相続放棄とは、
亡くなった方の財産や負債を引き継がないことですが、
ここで言う財産は亡くなった方の財産です。
つまり、相続放棄は、受取人固有の財産である死亡退職金には及びません。
したがって、相続放棄をしても受取人固有の財産である死亡退職金は受け取れるのです。

ただし、退職給与規定による受取人の定めがない場合は、死亡退職金は相続人による遺産分割の対象になります。
したがって、相続放棄をした人は、遺産分割協議に参加する権利を失っていますので、受け取れないことになります。

死亡退職金は相続税がかかる

死亡退職金には相続税が課税されます。
ただし、非課税枠があり、全額が課税対象になるわけではありません。
死亡退職金にかかる税金、相続税の非課税枠についてはこちらの記事を参考にしてください。

まとめ

今回は死亡退職金の受取人が誰になるのかについて解説しました。
会社の退職給与規定に受取人の定めがあれば、その人が受取人になりますので、まずは退職給与規定の有無を確認することが重要です。
相続税には複雑なルールがあり、適正な申告かつ最大限の節税のためにはルールを熟知している必要があります。
実際に相続が発生し、申告を行っていく場合には、自分だけで判断するのではなく、必ず税理士に相談するようにしましょう。
当事務所は無料相談も承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問合せください