ゴルフ会員権の相続税評価額は70%?わかりやすく解説します

ゴルフ会員権は、ゴルフ場を割安で利用したり、優先的に予約をしたり、あるいは競技会などへの参加資格を得る事ができる権利です。
今でこそ相場が低迷していますが、バブル期には今の何十倍もの金額で取引される人気の投資資産だったようです。当時購入したまま持ち続け、そのまま相続財産になるケースが多くあります。
相場が低迷しているとは言え、数百万円以上の評価額になることがざらにありますので、今は価値がないだろうと安易に考えるのではなく、しっかりその評価額を把握することが必要です。
ゴルフ会員権は、取引相場の有無や預託金の返還の有無で評価額が異なります。
また、取引相場のあるゴルフ会員権については、その取引価格の70%の金額で相続税評価額を計算できるので、忘れないようにしましょう。

今回は、ゴルフ会員権の相続税評価額についてわかりやすく簡単に解説していきたいと思います。

取引相場のあるゴルフ会員権の評価方法

ほとんどのゴルフ会員権は取引相場のあるゴルフ会員権に当てはまりますので、ゴルフ会員権はだいたいどういう評価になるのかを知りたいという方は、この取引相場のあるゴルフ会員権の評価方法だけチェックしておけば良いでしょう。

さっそくですが、取引相場のあるゴルフ会員権の評価方法は、

亡くなった日時点の取引価格×70%
です。

ただし、まれに入会時に名義書換料以外に、「入会預託金」というものを徴収するゴルフ場があります。この入会預託金がある場合は、

亡くなった日時点の取引価格×70%+入会預託金の評価額

となります。
だいたい全体の10%くらいのゴルフ場が入会預託金を徴収しているようです。

取引価格や入会預託金についてはゴルフ会員権を取り扱っている業者に問い合わせることもできますし、インターネット上の取扱い業者のホームページから確認することもできます

ゴルフ会員権の取引価格の調べ方

例えば、以下のような取扱い業者のホームページから取引価格を調べることができます。

・ゴルフホットライン
・ゴルフダイジェスト
・住地ゴルフ
・日経ゴルフ
・明治ゴルフ

この中でおすすめは「ゴルフホットライン」です。
過去の特定の日付での相場を検索できるので、私もこちらをメインで使わせていただいております。

なお、相場データには、売り価格と買い価格がありますが、
相続税評価額はその平均値を採用します

なぜなら売り価格と買い価格はあくまで希望価格であって、
交渉の結果成立する実際の取引価格はその中間値に近づくものと考えるのが合理的だからです。

なお、同じゴルフ会員権の銘柄でも参照する業者ごとに、相場が異なる場合もあるでしょう。
その場合は、最も有利な、つまり最も安い価格を採用してしまって差支えありません。
したがって、特定の業者だけで調べるのではなく、複数の業者で調べると良いでしょう

経験上、たいていのゴルフ会員権は取引相場があって、かつ入会預託金はありませんので、ここまでお読みいただけたらほとんどのゴルフ会員権の相続税評価額が確認できるでしょう。

以下、少しマニアックになってまいりますが、入会預託金の評価、取引相場が無い場合の評価と解説を続けていきます。

預託金について

ゴルフ会員権の預託金には「通常の預託金」と「入会預託金」の2種類の預託金があります。
ゴルフ会員権の相続税評価を深く理解する上で、この2つをしっかりと区別することが重要になってきます。

通常の預託金とは

一番最初にそのゴルフ会員権を買った人がゴルフ場に預けた預託金のことです。単に「預託金」と呼ばれるものがこれです。
名義書換により入会する人は、払う必要がないものです。
ゴルフ会員権の売買の際に、この「預託金」のゴルフ場への償還請求権が買主へ移行することになります。

入会預託金とは

ゴルフ場に入会する際に、入会者がゴルフ場に預ける預託金です。
通常の預託金とは異なり、名義書換により入会する人も新たにゴルフ場へ払う必要があります。ゴルフ会員権の売買の際に、売主に返還され、買主が新たにゴルフ場へ預けるのです。
全てのゴルフ場がこの「入会預託金」を徴収しているわけではなく、全体の10%のようです。

大事なことは、通常の預託金の償還請求権はゴルフ会員権の売買により、売主から買主へ移行することになるため、通常の預託金の償還請求権の価値はゴルフ会員権の取引価格に含まれているということです
したがって、ゴルフ会員権の相続税評価を行う際に、ゴルフ会員権の取引価格に別途加算する必要はありません。

逆に、入会預託金はゴルフ会員権の取引価格に含まれていませんので、取引価格とは別に評価して、加算する必要があるのです

それが上述のこの式だったというわけです。

亡くなった日時点の取引価格×70%+入会預託金の評価額

入会預託金の評価方法

直ちに入会預託金が返還される場合

入会預託金がすぐに返還される場合は、返還される金額がそのまま入会預託金の評価額になります。

一定期間経過後に入会預託金が返還される場合

この場合は、計算は少し面倒になりますが、返還されるまでの期間の利息相当部分を割り引いて評価することができます。今すぐ返還をしてもらえるのと、しばらく待たなければ返還をしてもらえないのとでは、同じ価値というわけにはいかないので、利息相当額を減額して評価するのです。
具体的には、国税庁が公表している基準年利率と複利原価率を使って計算していくことになります。

↓参考に令和4年分の基準年利率及び複利原価率はこちらから確認できます↓

ちなみに、入会預託金が返還されるまでの期間はゴルフクラブの規約に定めがあると思いますが、バブル崩壊以降の経営難により規約通りに返還されないこともあります。したがって、返還時期についてはゴルフ場に直接問い合わせると良いでしょう。

取引相場のないゴルフ会員権の評価方法

ここまではインターネット等でその取引価格を確認できるゴルフ会員権の評価方法について見てきました。
次は取引相場のないゴルフ会員権の相続税評価の方法について見ていきましょう。
取引相場のないゴルフ会員権の相続税評価は、
ゴルフ会員権の形態に応じて、3つの評価方法に分類できます。
そのそれぞれについて見ていきましょう。

その前に「取引相場のない」とは?

取引相場のないゴルフ会員権は取引業者が仲介して売買を行っていないゴルフ会員権です。したがって、ゴルフ場との直接売買となります。

①株主でなければ会員になれないゴルフ会員権

このようなゴルフ会員権は株主会員制という言い方をしますが、
この場合、非上場株式と同じ方法で評価をします。
ゴルフ会員権の価値が、ゴルフ場の株式の価値と同じになるためです。
なお、非上場株式の評価は相続税の計算の中でも特に難しい論点になりますので、迷わずに税理士に相談するようにしましょう。

②預託金を預託しなければ会員になれないゴルフ会員権

返還される預託金の金額で評価することになります。
なお、計算方法は上述の「入会預託金の評価方法」と同様です。

③株主であり、かつ預託金を預託しなければ会員になれないゴルフ会員権

上述の①と②が合わさったタイプのゴルフ会員権です。
この場合は、株式部分については①と同様に評価し、預託金部分については②と同様に評価し、最後にそのそれぞれの金額を合計して全体の評価額を算出します。

財産評価が不要な場合

株式の所有を必要とせず、かつ、譲渡できない会員権で、返還を受けることができる預託金等がなく、ゴルフ場施設を利用して、単にプレーができるだけのゴルフ会員権については、財産性がありませんので、評価不要になります。

なお、近年のゴルフ場経営状況の悪化により本来返還されるはずの預託金が返還されないといったトラブルが起きています。このような場合にも財産評価を引き下げたり、場合によっては0評価とすることが可能な場合もあります。

まとめ

ゴルフ会員権は相続税の対象財産です。
相場が低迷しているとは言え、それなりの評価額になることがあります。
また、ほとんどのゴルフ会員権は簡単にその評価額を確認することができますので、まずはしっかりその評価額を把握することが必要です。
とは言え、相続財産はゴルフ会員権だけでは無いと思います。全ての相続財産について調べて理解をし、間違いの無い申告を行っていくのは困難なことです。迷わずに税理士に相談しましょう。

当事務所は無料相談も承っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問合せください