この記事でわかること

  1. 相続についてのお尋ねは、相続税の申告が必要な可能性がある相続人に対して送付される、申告を催促する書類である。
  2. 申告期限内に申告書を提出する場合は、相続税についてのお尋ねを無視しても良い。
  3. 相続税についてのお尋ねが来ないからといって、申告が不要とは限らない。
相続税についてのお尋ねは無視できる?来ない場合は申告不要?

税務署から相続についてのお尋ねの文書が届いてびっくりしてしまう方は少なくありません。
相続税の申告は不要なはずなのに、やっぱり申告が必要なのだろうかと不安に感じてしまうものです。
あるいは、相続税の申告書を提出予定だけど、お尋ねへの回答はどうすれば良いのだろうと悩まれる方もいらっしゃるでしょう。

今回は、相続税についてのお尋ねへの対応方法について解説していきます。

相続税についてのお尋ねとは?

「税金を払っていなかったら税務署からお尋ねが来た」
という話は物語などで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

一般的に、税務署から納税者への書面で送られてくる申告の催促を「お尋ね」と表現します。

相続税において税務署から送られてくる「お尋ね」には主に次の2種類があります。

・「相続税についてのお知らせ」
税務署が、独自の調査により、相続税を申告する必要がある可能性が高いと判断した相続人に申告を促すために送付するものです。

「相続税申告等についてのご案内」
こちらも同様に相続税を申告する必要がある可能性が高いと判断した相続人に申告を促すために送付するものですが、「相続税についてのお知らせ」よりも高い確率で申告が必要であろうと判断している場合に送付されます。また、通常「相続税の申告要否検討表」が同封されています。

相続税についてのお尋ねはいつ届くのか?

「相続税についてのお尋ね」は、相続開始から6か月~8か月が経ったタイミングで届くことが多いです。

相続税についてのお尋ねは誰に届くのか?

「相続税についてのお尋ね」は、ランダムで送られてくるものではなく、税務署が相続税の申告が必要な可能性があると判断した相続人に対して送付しています。

税務署はなぜ財産がわかるのか

税務署は亡くなった方の過去の所得税や相続税の確定申告のデータ以外にも市区町村役場や法務局、金融機関等から職権で以下のような情報を入手することが可能です。

・死亡の事実
・所有する不動産
・預貯金、有価証券
・借入金

これらの情報から亡くなった方の財産を推定し、相続税の申告が必要な可能性の高い相続人にお尋ねを送付しているのです。

相続税についてのお尋ねは無視できる?対応方法とは

「相続税についてのお尋ね」を無視しても良いケースもあります。
相続税についてのお尋ねが届いた場合の、ケース別の対応方法を解説していきます。

相続税の申告を行う準備を進めている場合

すでに相続税の申告の準備を進めている場合は、「相続税についてのお尋ね」に回答しなくても大丈夫です。
そのまま無視して相続税の申告期限である相続発生から10か月以内に申告をしましょう。
申告書の提出をもって、お尋ねへの回答という形になります。

なお、上述のとおり、お尋ねが届くのは通常相続開始から6か月~8か月が経った、すでに申告期限が近いタイミングです。
税理士に依頼している場合は期限内に申告書を提出できるスケジュールで進めていると思いますので問題ないと思いますが、もし自分で申告を進めている場合は、期限内に確実に申告書を提出できるように、途中からでも税理士に依頼することを検討しても良いでしょう。

相続税の申告が不要な場合

まず、「相続税についてのお尋ね」への回答は義務ではありません。
したがって、すでに相続税の申告の要否を検討済で、申告書の提出が不要であると判断している場合にはお尋ねを無視することは可能です。

ただし、税務署は相続税の申告が必要な可能性があると判断した場合にお尋ねを送付しています。
つまり一定の疑いを持ったうえでお尋ねを送付していますので、相続人から何の回答もない場合、印象を悪くし、疑いをさらに深めてしまうかもしれません。

したがって、あえてお尋ねに回答して申告が不要なことを証明してしまうのも良いでしょう。

なお、税務署が相続人が把握できていない財産を知っている可能性もありますので、あたらめて財産の漏れが無いかや計算に間違いがないかを検討すると良いでしょう。

相続税の申告が必要かどうか不明な場合

相続税の申告が必要かどうか不明な場合や、まだ検討を行っていない場合は、ただちに税理士に試算を依頼することをおすすめいたします。

相続専門の税理士事務所の多くが初回無料相談を行っており、無料相談の範囲で申告の要否を検討してくれることが多いです。
検討の結果、申告が必要となった場合は、申告期限内に申告書を提出するためにそのまま税理士に申告を依頼してしまうと良いでしょう。

というのも、相続専門の税理士であっても、相続税の申告には通常4か月程度はかかります。
お尋ねが届いたタイミングからご自身での申告をスタートする場合には、期限に間に合わない可能性が高いです。
期限を過ぎてしまった場合には、無申告加算税や延滞税といったペナルティが発生してしまう可能性があります。

相続税についてのお尋ねが来ない場合は申告不要?

「相続税についてのお尋ね」が来ない場合でも、相続税の申告が必要な場合があります。
というのも、税務署は亡くなった方の財産の全てを精確に把握しているわけではないからです。

したがって、お尋ねが届かないからといって、相続税の申告が不要であると判断することはできません。

「お尋ねが来たら申告の要否を検討すればいいか」とお尋ねが来るのを待たずに相続発生後すみやかに申告の要否を検討するようにしましょう。

まとめ

税務署から相続税のお尋ねが来た場合の対応方法について解説いたしました。
お尋ねが届いたということは、税務署が相続税の申告が必要な可能性があると判断したということです。
申告の必要が無いと思われていた方は、その要否を慎重に再検討するようにしましょう。
心配な場合は相続専門の税理士に相談することをおすすめいたします。

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