相続税の納税額を極力削減されたい場合は、土地の評価額を出来るだけ減額していくことが重要です。

相続税は預金や不動産などの財産の評価額の総額に対して課税されます。
財産の評価額が低ければ低いほど相続税が安くなるということになりますので、相続税を出来るだけ安く抑えるためには財産の評価額をできるだけ低くすることが重要になります。

財産の中でも土地の計算は特に複雑で、検討や判断を要するポイントが多岐にわたり、評価額を減額できる特例も数多く用意されいます。
したがって、相続税を出来るだけ安く抑えるためには、土地の評価減のポイントを漏れなく抑えることが重要なのです。

そんな土地評価額の減額のポイントについて、
神奈川県藤沢市の実際の地図を用いて具体的に解説していきたいと思います。
あくまで藤沢市の中でも藤沢駅周辺を中心にピックアップし、ご紹介するものになります。

相続税の土地評価額の減額のポイント(例:藤沢市)

藤沢の地勢

藤沢市は、神奈川県の湘南地域の東部に位置し、南側は相模湾に面し、おおむね平坦な地形をしています。

横浜市、鎌倉市、茅ヶ崎市、綾瀬市、海老名市、大和市、高座郡寒川町の7市町に隣接し、人口は神奈川県内4位となる約43万人が暮らしています。
全国的に有名な江ノ島、鵠沼海岸を有する人気の観光地である一方で、藤沢駅、辻堂駅、湘南台駅周辺などには大規模な商業施設が立ち並び、東京、横浜への通勤圏内ともなっており、生活の利便性があるベッドタウンとしても人気の高い都市です。

下記は藤沢市のグーグルマップです。

藤沢市の路線価図

藤沢市の路線価図
藤沢市の路線価図


土地の評価方法には「路線価方式」と「倍率方式」があります。
上記は国税庁のHPに掲載されている藤沢市の令和4年分の「路線価図」の索引図(一覧表)です。
市内のほぼ全域に路線価が設定されていることがわかります。
個々の路線価図の中を詳しく見ていけば、その中にも倍率方式で評価するエリアが含まれていますが、藤沢市にお持ちの土地は、その多くが路線価方式で評価する土地であると言えるでしょう。

路線価とは

路線価はその路線(道路)に面する標準的な宅地の1㎡当たりの価額を言い、毎年7月に国税庁が発表します。
この路線価が設定されている土地は、「路線価方式」で評価されることになります。具体的には、対象の土地が面する路線の路線価に面積を掛け、形状等に応じて価額の補正を行い評価額を計算します。
土地の評価が難しくなりやすいのは、この路線価方式で評価される土地です。
以下では、藤沢市のうち、路線価方式で評価される土地の評価減のポイントについて見ていきたいと思います。

藤沢市主要エリアの路線価

藤沢駅前の路線価

藤沢駅前の路線価
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上図は令和4年分の藤沢駅前の路線価図です。
赤い四角で囲った中をご覧いただくと「1,210B」と記載があることが確認いただけると思います。
これが路線価です。単位は千円です。

つまり、 この路線に面する土地の評価額は1㎡当たり1,210,000円がベースになるということです。
最近新装オープンしたODAKYU湘南GATE前の道路ですね。

なおアルファベットBは借地権割合のことで、貸している土地や借りている土地を評価する際に使っていきます。詳細な解説は割愛いたします。

辻堂駅前の路線価

辻堂駅前の路線価
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上図は令和4年分の辻堂駅前の路線価図です。
赤い四角で囲った中をご覧いただくと「810B」と記載があることが確認いただけると思います。

つまり、 この路線に面する土地の評価額は1㎡当たり810,000円がベースになるということです。
辻堂エリアは近年の再開発で大発展し、全国的にも住みたい街として人気のエリアになっています。そしてこちらの場所は開業以来客足が途絶えたことが無いテラスモール前の道路ですね。個人的にも良く行く施設です。

湘南台駅前の路線価

湘南台駅前の路線価
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上図は令和4年分の湘南台駅前の路線価図です。
赤い四角で囲った中をご覧いただくと「540C」と記載があることが確認いただけると思います。

つまり、 この路線に面する土地の評価額は1㎡当たり540,000円がベースになるということです。

湘南台エリアは境川と引地川に挟まれる自然にあふれた環境と都会のような利便性を併せ持っており、ファミリー層や子育て世代に人気の地域です。
相鉄線とJR線の相互直通運転も開始され、さらに人気が高まりそうですよね。

鵠沼松が岡の路線価

鵠沼松が岡の路線価
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上図は令和4年分の江ノ電鵠沼駅前の路線価図です。
赤い四角で囲った中をご覧いただくと「205D」と記載があることが確認いただけると思います。

つまり、 この路線に面する土地の評価額は1㎡当たり205,000円がベースになるということです。

藤沢市は鵠沼東、鵠沼松が岡、鵠沼桜が岡、鵠沼藤が谷、鵠沼橋、片瀬山、片瀬目白山、辻堂東海岸など全国にも誇りえる多くの高級住宅地を擁していますが、その中でもこの鵠沼松が岡は屈指のエリアと言えるでしょう。

藤沢市の土地評価の減額による節税のポイント

令和4年路線価図
令和4年路線価図

上記は藤沢駅周辺のグーグルマップ及び路線価図です。

実際に相続税の申告を行う場合は現地調査や役所調査などを入念に行っていきますが、
インターネットから得られる情報に基づいて、
一般の税理士が見落としてしまう可能性のある土地の評価減のポイントを紹介していきたいと思います。

①路線価の付されていない道路のみに接している土地

このエリアの路線価図を見ると、路線価が付されていない道路が散見されます。
路線価の付されていない道路のみに接している土地は、税務署に路線価の設定を申し出ることにより(特定路線価)評価を行う方法が一般的ですが、
路線価を付さずに計算を行う方法もあり、
路線価を付さずに計算する方法の方が評価額が低く計算されることが多いです。
そのため、どちらの計算方法が有利かをシミュレーションしたうえで計算することが重要です。

②セットバックが必要な土地

セットバックが必要な土地
ふじさわキュンマップ(指定道路図)

上記の道路種別図のとおり、
このエリアには2項道路が散見されるようです。水色で塗られた道路です。
2項道路はその道路上の幅員が4m未満である部分については、建物の建替えの際などに、
敷地を後退(セットバック)する必要があります。
この後退すべき部分について、70%の減額が可能となります。
減額の漏れが無いように、入念な現地調査、役所調査が必要になるでしょう。

③騒音・振動

線路の付近は騒音や震動があり、
この影響が路線価に反映されていないと認められるような場合には、
評価額が下がる可能性があります

④都市計画道路予定地

都市計画道路予定地
ふじさわキュンマップ(都市計画情報)

上記は江ノ電鵠沼駅周辺の都市計画道路予定地です。
黒い線で描かれた道路が将来の想定道路です。

藤沢市には多くの都市計画道路が存在し、上記の道路をはじめとして工事が未完了のものも多く残っています。
都市計画道路予定地にある土地には、2階建ての建物しか建てられないといった一定の制限がかかります。したがって、所有していた土地全体に占める、都市計画道路予定地に該当する部分の割合などの基準に応じ最大50%の減額が可能となります。



以上のように、
土地の計算は複雑で、検討すべきポイントは多岐にわたります。
適正な評価により、相続税の納税額を極力削減されたい場合は、
相続税を専門とする税理士へ相談をされることが必須となります。

相続税申告は税理士選びが重要

相続税は専門的な経験や知識が要求されるため、税理士によって納税額が異なります。
特に、土地の評価方法の選択や特例適用の判断の仕方により、税金の額が大幅に変わってきます。
したがって、相続税の申告、相談は当事務所のような相続専門の税理士事務所に依頼されることを強くおすすめいたします。
当事務所では、相続税の申告や還付、それらの相談を300件以上経験した相続に強い税理士が対応しております。

まとめ

土地評価のポイントについて、
神奈川県藤沢市の実際の地図を用いてご説明いたしました。
あくまで藤沢市の中でも藤沢駅周辺を中心にピックアップし、ご紹介したものになります。
土地の相続税の評価を実際に行っていく際には、
上記のようなポイントに加えて、所有している土地の形状や、個別の事情についても検討が必要になります。

当事務所には、土地の評価減を行うためのノウハウが豊富にあり、
最大限の評価減が可能となっております。
無駄な相続税を払いたくない方や、すでに支払った相続税の還付を請求したい方はお気軽にご相談ください。



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